秋の湖めぐり

ラムサール条約登録湿地・涛沸(トーフツ)湖(網走、小清水)は、国内有数の渡り鳥の飛来地。アイヌ語で「チカンプトウ」(鳥がいつもいる湖)と呼ばれるように、同湖周辺では230種類を越える野鳥を観測できるという。

 秋は、1年で1番にぎやかになる。シギ類・オオハクチョウ・カモ類・ヒシクイなどが飛来する。北浜の白鳥公園野鳥観測舎は、バードウオッチングの適地であり、斜里岳を背景にしたシャッターポイントとしても人気だ。周辺には広々とした農村風景が見られる。

 網走郊外の能取湖の卯原内(ウバラナイ)は日本最大級のアッケシソウ(サンゴ草)群落で有名。卯原内の観光協会が保護・増殖に努め、群落を増やし、地元商工会と「日本一のサンゴ草群落地」の木碑を建てた。

 秋には湖畔を赤く染め一面赤い絨毯を敷きつめたような光景となる。広い木道から間近に鑑賞できる。朝焼けの中のサンゴ草も見てみたい。9月中旬の「サンゴ草まつり」では、この絶景の地で、同湖で採られたホタテなどの味覚も楽しめる。

氷上絵・文字
サンゴ草まつり
 

カムバックサーモン

オホーツク圏の各河川には、秋、サケが遡上する。網走市内では、国道39号線沿いという間近、網走湖の呼人浦(ヨビトウラ)キャンプ場付近の白羽川に遡上するサケを見られる。

 10月1日から11月中旬までは、「カムバックサーモンin網走湖」として、ライトアップされた中で、自然解説員によるガイド(夕方以降)の話も聞くことができる。期間中、北方文化展示、北方民族衣装試着、鮭革のクラフト体験教室、北方民族の儀式や踊りを採り入れた「オトチョンの火まつり」なども行っている。

 


カムバックサーモンin網走湖
 

カヌーで空きの探鳥

また、網走湖では、網走カヌーセンターがカヌーによる探鳥ツアーを10月末ごろまで行っている。広葉樹の森に囲まれた同湖(周辺43キロ)水辺の紅葉がきれいだ。同湖東岸から湖中北方に突き出た呼人半島には探鳥遊歩道がある。探鳥ツアーでは同湖半島を約1時間半かけてトレースする(大人3,000円)。

 オジロワシ・カワセミ・アオサギなど多くの鳥類を見ることができる。秋には渡り鳥が加わる。

 同センターのカヌーネイチャーガイドの秦孝久(ハタタカヒサ)さんは道東でガイド暦を積んだベテラン。1回1人から10人まで対応可。子どもから高齢者まで利用者の顔ぶれは幅広く、アウトリガー(安定用の浮材)で安全性に努めている。カヌーに乗って水鳥になった気分で、オホーツク・網走の秋を過ごしてみるのも悪くない。発着点は同キャンプ場。

※網走カヌーセンター
 網走市呼人23
 TEL 0152-48-2353

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