ブルームボールについて
寒地シンポジウム’99 1999/11/17.18.19 より
1 ブルームボールの概要
ブルームボールは1900 年代の初頭にカナダで誕生した冬のスポーツで、日本にはカナダ大使館を通じて紹介された。東京で最初にプレイされ、北海道では1983年に佐呂間町がスポーツとして取り上げ、以後、雄武町・釧路市・大分県など全国に波及しており、新たな冬のスポーツとして注目されている。
「ブルームポール」は、スニーカーを履いて行うアイスホッケーで、約6ケ月間寒さと雪に覆われる北海道において、既存の冬のスポーツに加えて年齢や性別を問わず誰もが楽しめるスポーツである。
ヘルメットと簡単なプロテクターを着用して、スティックの代わりのブルームを持ち、スケートのかわりに専用のスニーカーを履いて、リンクを走り、直径15cm のゴムボールを相手のゴールに入れる競技である。基本の動きは殆どアイスホッケーと同様であるが、1チーム6人、2チーム合わせて12人がリンクの中でボールを追いかけて走る。ゲームタイムは1ピリオド 20分×2ピリオドで合計40分間で、ベンチは20人まで、交代は自由である。男性だけの Men、女性だけの Women、のほかに、チーム編成でユニークな Mix.(Coed)と呼ばれるカテゴリーがある。また、アイスホッケーでは、肩より上にスティックを上げる行為は禁じられているが、ブルームボールでは認められている(これを Whip と言う)ため、前後左右どの方向にも強烈なシュートやパスが可能である。
なお、オホーツク管内の雄武町ブルームボール協会が「ワールドブルームボール・チャレンジカップ’98 イタリア大会」に日本代表として初出場し、1勝を上げた.2006年の冬季オリンピックでは、ブルームボールを公開競技として実施される予定
ワールドチャレンジカップ開催の経緯は以下の通りである。
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1991.11 |
カナダ、ビクトリア |
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1996.11 |
カナダ、ビクトリア |
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1998.11 |
イタリア、ポルツァノ |
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2000.11 |
カナダ、ビクトリア |
(1)リンクの大きさ・ゴールの大きさ
リンクリ大きさは 60mX30m。ゴールの大きさは高さ1.5m、幅2.1m。
(2)器具等
ブルームの長さは扱いやすいように、ある程度切り詰めることができる。ボールは直径15cmのゴム製で室内用(オレンジ)と屋外用(ブルー)の2種類がある。シューズもブルームボール専用のシューズがあり、室内用と屋外用の2種類あり靴底が違う。
(3)チームの人数・試合時間
ベンチに入ることができるのは1チーム20人まで。リンクに出てプレイするのはゴールキーパーを入れて6人まで。ゴールキーバー以外の5人の選手は交替自由。いつでも、誰とでも、何回でも交替することが出来る。1ゲームで40人がブルームボールを楽しむことが出来る。
正式な試合時間は15分×2ピリオド。ハーフタイム(休憩時間)は5分。
(4)ゲームの方法
向かい合ったプレイヤーのブルームの問に審判がボールを落として試合開始(フェイスオフ)。お互いに相手のゴールを目指し、相手のゴールにボールが入ると得点になる。
(5)軽い反則
センターにあるレッドラインをボールよりも先に相手チームのほうに行ってはならない(オフサイド)。ボールがレッドラインを越えて自陣にもどったときは攻撃も新規まき直しで、もう一度レッドライン後方に戻ってから、攻撃再開する。
肩よりも高い位置でボールに触ってはならない(ハイブルーム)。肩よりも低い位置なら自由にボールを叩くことが出来る。肩よりも高いボールが来たら手で叩き落とす。
手で味方にパスしてはいけない(ハンドパス)。ボールを手で止めたり、打ちやすいように方向を変えたりすることは出来る。キックパスはOKだがシュートは認められない。
(6)重い反則(2分間出場停止)
つかむ・押さえる・相手を蹴る・殴る・足をかける・転ばせる・体当たりする・かみつく・ひっかく・罵倒する・スポーツマンとしてふさわしくない行為などの反則は2分間以上の出場停止となり、ペナルティベンチ行きとなる。
2 ブルームボール「'99ふゆトピア公開競技会」の開催
1999年2月4日〜5日に、網走市呼人スポーツフィールド特設リンクで、公開競技会を実施した.
開催に先立ちブルームポール教室を行ない、始めてブルームボールを行う人達に対して、競技の方法や用具の使い方などについて説明し、競技の普及に努めた。また、ブルームボール教室の後、参加希望のあった始めてブルームボールを行うチームによる公開競技会を行った。
後述するジャパンカップに網走市から8チーム、北見市から1チーム始めて参加するチームがあり、これに初参加する選手を中心として白熱した練習試合が行われた。
3 ジャパンカップの開催
1999年2月6日(土)〜7日(日)に「ブルームボールジャパンオープンカップ・オホーツク大会」が開催された。今回のジャパンカップは、1987年以来第8回目となる。これまでの開催経緯は次表の通りである。
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1987.2 |
東京都 |
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1988.2 |
佐呂間町 |
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1989.2 |
東京都 |
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1991.2 |
佐呂間町(吹雪のため中止) |
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1994.2 |
佐呂間町 |
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1995.5 |
釧路市 |
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1996.3 |
大分県 |
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1998.5 |
札幌市 |
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1999.2 |
網走市 |
会場は、網走市呼人スポーツフィールドを利用し、競技方法は、6日に予選ブロックリーグを行い、7日には決勝トーナメントとした。競技規則は、ブルームボール国際競技規則によった。
今回の大会の特徴は「’99ふゆトビアフェアin網走」との一体的な開催により、競技の普及に配慮することとし、参加資格については本大会はオープン大会であるので特に問わない(一般)こととした。
地元の網走・北見よリオーブン参加したチームは9チームとなり、Mens6チームMix12チーム合計18チームと、大会の規模としてはこれまで最大のものとなった。
今までブルームボールに触れたことのない網走・北見の両市の参加者は、雄武・佐呂間といったベテランチームに翻弄されながらも、ゲームの持つ面白さや、技術、豪快さなどを体感できたものと考えられる。しかし、今回は、残念ながら初出場の網走チームは用具が揃わず、特にブルームボールシューズではないというハンディが生じた。競技として、最低限用具類はイコールコンディションにしなければならず、今後、競技の一層の普及を図るにも協会としてシューズを含めた貸し出し用具を用意することも検討という新たな課題に直面することとなった。
大会成積は以下のとおり。
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Tacos(雄武協会) |
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Delta Force(雄武協会) |
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Jokers(雄武協会) |
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レイダース(佐呂間協会) |
なお、2月6日の夜には開会式とレセプションを網走市内で開催し、大会参加者の交流を深めた。