多彩な花園に感嘆

網走市から国道二四四号などを通り約四十`、ジャガイモ焼酎の発祥地・清里町に向かう。この間の景色も見事だ。網走市の鱒浦から知床半島の付け根・斜里町峰浜までのオホーツク海沿岸は砂丘が続く。その間の小清水原生花園※(北海道遺産)は、オホーツク海と濤沸湖(ハクチョウの飛来地)に挟まれた約八`の細長い砂丘で、六月から八月にかけてヒオウギアヤメ、ハマナス、エゾスカシユリ、ハマフウロなど約四十種類の野生の花が咲く。
花が好きなら、さらに小清水町の「ジャガイモ街道」、「リリーパーク」※を経由するとよい。同パークでは、丘陵地十fに世界のユ リ八十五品種七百万輪が栽培され、七月中旬から九月中旬にかけて開花する。同街道のジャガイモは七月中・下旬には可憐な白やピンクの花を咲かせ、畑というより花園に変わる。

※小清水原生花園インフォメーションセンター「Hana」
小清水町字浜小清水474 TEL.0152-63-4187
※ゆりの郷「リリーパーク」 (有)シナジーこしみず
TEL.0152-62-2903


 
花より、い〜も焼酎・温泉

「きよさと焼酎工場」※(パパスシャトー) は、斜里岳(標高1545b)を背景にヨーロッパの城を思わせるたたずまい。日本最北の焼酎工場で造る本格焼酎(乙類)は、同町産のジャガイモ、大麦、斜里岳の湧水を原料に十種類。八月から十一月まで、ガラス越しに製造作業が見られる。試飲コーナーで一部品薄の銘柄を除き、その味をこころみられる。飲み過ぎには注意。
乙類焼酎は単式蒸留機による蒸留酒。原料等から生じる香味が酒にとけ込んでいるのが特徴。商品は同工場に隣接のレストランきよさと、同町内の酒店で買える。ここ四、五年焼酎ブームもあり増産中。遠くは九州にも愛飲者がいるそうだ。
毎年六月の「焼酎フェスティバル」では、焼酎の無料試飲、青空市場、ゲーム大会などがにぎやかに行われている。
町民は温泉好きに違いない。町内には三つも町営温泉がある。「きよさと温泉緑清荘」※(ナトリウム塩化物泉)、「さっつるパパスランド」※(アルカリ性単純泉)、「緑地域休養施設緑の湯」※(ナトリウム塩化物・硫酸塩泉)。
それぞれ特微がある。宿泊できるのは「緑清荘」。露天風呂があるのは「緑の湯」。農畜産物加工など体験施設を備え、バリアフリー対応の「パパスランド」。三温泉とも源泉100%で、パークゴルフ場も完備している。パークゴルフと温泉のセットは地域住民の楽しみの一つ。
また、同町内にはウオーキングトレイル※(田園の散歩道)が設けられている。「清里パノラマの丘コース」(約十二`)は日本ウオーキング協会の「全国歩きたくなるみち500選」の一つ。市街地を抜けて田園地帯を巡る二時間程度のコースで、広大な畑の景観や雄大な斜里岳などが印象に残る。ほかに牧場、清流沿いを巡るコースなどがある。

※清里町焼酎醸造事業所 清里町羽衣町62番地
TEL.01522-5-2227
※きよさと温泉緑清荘 清里町羽衣町31番地
TEL.01522-5-2281
※パパスランド 清里町字神威1072番地
TEL.01522-6-2288
※緑の湯 清里町緑町26番地
TEL.01522-7-5511
※ウオーキングコースの問い合わせ先
清里町企画財政課 企画振興係
TEL.01522-5-2135
 
自然とマッチ、ログで安眠

清里町から道道摩周斜里線を経て斜里町のログハウスの宿「ふあーむいん 夢木香(ゆめきこう)」※へ。オーナーは農家レストランの経験もある久保耕一郎さん。本業は畑作農家。野菜の収穫、大型トラクターの見学・記念撮影、ジャガイモの収穫(秋)などのほか、連泊者はパラグライダーができる。ふわっと浮いた上空からオホーツクの白然を体感できる。夕食は、ほっけ定食、ジンギスカン(北海道遺産)定食、チャンチャン焼き定食(同)と北海道らしいメニューが揃っている(要予約)。

※ファームイン 夢木香 斜里町大栄51
TEL.01522-3-5333

 
焼酎「地酒」

網走地方では、清里の「きよさと焼酎」が有名。種類は「パパスファーム」、「マイルド20きよさと」、「マシュー」、「きよさと」、「浪漫倶楽部」、「斜里岳」、「神の子池」、「オホーツク」、「北緯44度」、「清里コレクション」。他地域では、「流氷ろまん」(網走)、青エンドウ焼酎「野良美人」(女満別)、長いも焼酎「むら根」(東藻琴)がある。
「浪漫倶楽部」は樽貯蔵酒、「北緯44度」は原酒、「清里コレクション」は長期貯蔵酒。「むら根」は、同村産のナガイモを40%、割水に藻琴山の麓からの湧き水銀嶺水を使用・くせがなく口あたりまろやか。
ほか「地酒」は、地ビール「網走ビール」、清酒「君が袖」、「オホーツク流氷酒」、「流氷浪漫」、「網走ワイン」(以上網走)、「ワイン芝桜一番」(東藻琴)、長芋発泡酒「NONKY」(同)、「びほろワイン」(美幌)、純米吟醸酒「びほろ」(同)、純米吟醸「しれとこの水」(斜里)、特別純米酒「流氷囲い」(同)、日本酒「めんこ稲」(女満別)などがある。
 
網走 第1日目へ
網走 第3日目へ