建造物でめぐるオホーツク

オホーツクの建造物

ダム・橋梁・交通・歴史的建物ほか

上興部駅

廃線となった多くの路線その歴史をとどめる駅舎が残されている。
上興部駅
ホームや線路も残され、気動車キハ27109 とDD14 形除雪車DD14302 号機のロータリー式除雪機構部が連結された状態で静態保存・展示されている。

一九八〇(昭和五五)年に国鉄再建法が成立したのに伴い(一九八七年に国鉄分割民営化)、第一次廃止対象路線となった道内七路線のうち、オホーツク地域では相生線、渚滑線、興浜南線の三つが対象となった。

最も早くに廃止となったのは、相生線、渚滑線の一九八五(昭和六〇)年四月一日、興浜南線は同じ年の七月一日だった。※根北線は国鉄再建法以前の一九七〇(昭和四五)年に既に廃止。

第二次廃止対象路線となったのが、湧網線(一九八七年三月二〇日廃止)、名寄本線(一九八九年五月一日廃止)、池北線(一九八九年六月四日、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線に転換。二〇〇六年四月二一日廃止)。

一九六八(昭和四三)年当時、管内七路線があったうち、現在残るのは石北本線と釧網線のわずか二路線となってしまった(オホーツクの国鉄路線の変遷参照)。

路線廃止とともに、その多くの駅舎も失われたが、当時の駅舎を資料館として保存し公開しているのが、この上興部駅、旧国鉄北見相生駅北見滝ノ上駅の三カ所である。

名寄から紋別を経て遠軽へ続いた名寄本線の上興部駅。駅は西興部村内にあり、名寄から行くと西興部駅の一つ手前の駅で、西興部駅との駅間は一一キロメートル。旧駅構内は一九九四(平成六)年から西興部村により「上興部鉄道記念館」として整備されている。車両の動態保存のほか、ホームには本物の駅名標なども保存されている。

DATA
名寄本線(なよろ)
  • 1940(昭和15)年10 月:着工。
  • 1943(昭和18)年6 月:竣工。
  • 1985(昭和60)年:廃止。
  • 営業距離:138.1 km(名寄- 遠軽間)
  • 駅数:40(起終点を含む)